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更新日:2022年6月2日
近年、ジャンボタニシによる水稲の食害が拡大しています。防除方法を組み合わせて実施することで、より大きな効果が期待できます。各水稲生産者が防除を意識し、地域全体で防除に取り組みましょう。
南米原産の淡水巻貝で、一般的な成貝の殻高は2~3cm程度であり、田植え直後の稲のような柔らかい草などを食します。乾燥に強く、水が無くても土中に浅く潜り、半年以上生存することができます。耐寒性は高くはありませんが、殻高が1~2cm程度の未成熟の貝は、越冬率が高くなります。
卵塊は濃いピンク色で水上の植物などに産み付けられ、およそ2週間で孵化します。環境によっては3、4日に一度産卵します。
様々な防除を組み合わせて実施することで、より大きな効果が期待できます。
ジャンボタニシは水中でないと摂食できません。貝が水稲に被害を及ぼすのは、田植え後3週間程度の稲が柔らかい期間です。この期間は水深を4cm以下(理想は1cm)にすることで、食害を減らし、また活動範囲を制限します。
圃場内の個体数を増やさないため、取水口や排水口に1cm程度の目合いのネットを設置します。ネット内の貝は水路などに放ったりせず、踏みつぶすなどして確実に殺貝します。
籠網やペットボトルなどでトラップを作成し、ジャンボタニシの餌となるもの(柔らかい野菜くずや米ぬか、鯉の餌など)を誘引剤として入れ、捕獲します。誘引剤はトラップから流れ出たり貝に摂食されにくいよう、水切りネットなどに入れます。捕獲数が多い場合は、適切な場所に十分な深さをとって土中に埋却します。
水路の壁などに産み付けられた卵塊は潰すなどして殺卵します。卵塊が濃いピンク色の場合は、水中で呼吸ができないため、水中に削り落としても構いません。
ジャンボタニシは寄生虫(広東住血線虫)が寄生している場合があるため、捕殺の際はゴム手袋や作業用のトング等を使用してください。素手で触った際は、石鹸でよく洗ってください。
厳冬期にロータリー耕うんを行うことで、貝を破砕し寒風に晒します。破砕効果を高めるため、トラクターの走行速度を遅く、ロータリーの回転速度を速くします。貝は6cm未満の深度で越冬していることが多いため、6cm程度の深度で耕うんします。
ジャンボタニシの被害がない圃場に同じトラクターを移動させる際は、貝の持ち込みを防ぐため、アタッチメントやタイヤをよく洗います。
必ず登録された薬剤を使用し、使用する農薬等に応じて、使用方法や使用上の注意事項を守って使用しましょう。
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