○飯塚市政治倫理条例

平成19年9月28日

飯塚市条例第45号

改正 H27―50、H28―42

(目的)

第1条 この条例は、市政が市民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その担い手たる市長、副市長、企業管理者、教育長(以下「市長等」という。)及び市議会議員(以下「議員」という。)が市民全体の奉仕者として、その人格と倫理の向上に努め、いやしくも自己の地位による市(市が設立した公社又は市が資本金、基本金その他これらに準ずるものを出資し、若しくは拠出している法人を含む。以下「市」という。)への影響力を不正に行使して、自己の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、市政に対する市民の信任にこたえ、併せて市民も市政に対する正しい認識と自覚の下に清浄で民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。

(H27―50、H28―42一改)

(市長等及び議員の責務)

第2条 市長等及び議員は、市民の信頼に値する倫理性を自覚し、市民に対し自ら進んでその高潔性を明らかにしなければならない。

(市民の責務)

第3条 市民は、自らも主権者として市政を担い、公共の利益を実現する自覚を持ち、市長等及び議員に対し、その地位による市への影響力を不正に行使させるよう次に掲げる働き掛けを行ってはならない。

(1) 市の職員の採用、昇格及び異動に関しての推薦又は紹介の依頼

(2) 市の発注工事の指名依頼

(3) 使用資材等の購入指名依頼

(4) 下請業者の選定依頼

(5) 道義的批判を受けるおそれのある寄附行為

(6) その他社会通念上疑惑を持たれる行為

(H27―50一改)

(政治倫理基準)

第4条 市長等及び議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。

(1) 市民全体の代表者として品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。

(2) 市民全体の奉仕者として常に人格と倫理の向上に努め、その地位を利用していかなる金品も授受しないこと。

(3) 市が行う工事等の請負契約、下請工事、業務委託契約及び一般物品納入契約に関して特定業者を推薦、紹介するなど有利な取り計らいをしないこと。

(4) 市の職員等の公正な職務執行を妨げ、その権限又はその地位による影響力を不正に行使するよう働き掛けないこと。

(5) 市の職員の採用に関して推薦又は紹介をしないこと。

(6) 議員は、市の職員の昇格、異動に関して推薦又は紹介をしないこと。

(7) 政治活動に関して企業、労働組合等の団体(政治団体を除く。)から寄附を受けてはならない。また、その後援団体についても政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄附を受けないこと。

(H27―50一改)

(市民の審査請求権)

第5条 市民は、政治倫理基準に違反する疑いがあると認められる市長等又は議員があるときは、これを証する資料を添えて市長等に係るものについては市長に、議員に係るものについては議長に審査を請求することができる。

2 前項の規定により議長が審査の請求を受けたときは、審査請求に関する書類の写しを市長に送付し、審査を依頼しなければならない。

(H27―50全改)

(政治倫理審査会の設置)

第6条 市長は、前条第1項の規定による審査の請求又は前条第2項の規定による議長からの依頼があったときは、これを審査するため、飯塚市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置する。

2 審査会の委員は、6人以内とし、次の各号に掲げる者のうちから当該各号に定める人数を市長が委嘱する。

(1) 学識経験を有する者 4人以内

(2) 議員で議長の推薦する者 2人以内

3 審査会の委員の任期は、第12条第1項に規定する市長への報告が終了するまでとする。ただし、議員である委員は、その職を失ったときは、その任期を終了したものとする。

4 審査会に会長及び副会長を置き、委員の互選によりこれを定める。

5 会長は、審査会を代表し、議事その他の会務を総理する。

6 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(H27―50全改)

(政治倫理審査会の会議)

第7条 審査会の会議は、会長が招集する。ただし、会長が互選される前に開かれる会議は、市長が招集する。

2 審査会は、委員の半数以上が出席しなければ会議を開くことができない。

3 審査会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

4 前項の規定にかかわらず、審査会は、審査の請求をされた市長等又は議員(以下「審査対象者」という。)につき、政治倫理基準に反し、政治的又は道義的に重大な責任があると認める場合で、辞職又は辞任の勧告、議会出席自粛の勧告その他の勧告を審査結果に明記しようとするときは、委員の3分の2以上の者が出席し、その4分の3以上の多数によりこれを決定しなければならない。

5 審査会の会議は、公開するものとする。ただし、やむを得ず非公開とするときは、委員定数の3分の2以上の同意を要する。

6 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(H27―50全改)

(政治倫理審査会の意見聴取等)

第8条 審査会は、審査のため必要があると認めるときは、審査対象者、審査の請求をした者、識見を有する者、審査対象者と一定の密接な関係にある者、その他事案の解明のため必要な者等に対し、その出席を求め、意見若しくは事情を聴取し、又は報告を求めることができる。

(H27―50全改)

(審査対象者の協力義務)

第9条 審査対象者は、審査会から会議への出席又は調査に必要な資料の提出を求められたときは、これを拒んではならない。

2 市長は、審査対象者が審査会の調査に協力しないとき、又は審査会に対し虚偽の報告をしたときは、その旨を市報で公表するものとする。

(H27―50全改)

(弁明の機会の付与)

第10条 審査対象者は、審査会の会議に出席し、書面又は口頭により弁明することができる。

(H27―50全改)

(市長への報告等)

第11条 審査会は、審査の結果について市長に報告するものとする。

2 審査会は、審査対象者の名誉を回復することが必要であると認めるときは、所用の措置を講ずるよう市長又は議長に求めることができる。

3 市長は、第1項の規定により提出された報告書のうち議員に係る報告書については議長に送付しなければならない。

(H27―50全改)

(審査結果の通知及び公表)

第12条 市長又は議長は、前条第1項又は第3項の規定による報告を受けたときは、審査の請求をした者及び審査対象者に対し審査の結果を通知するものとする。

2 市長又は議長は、次条第1項の規定による意見書の提出後、又は同項に定める意見書の提出期間経過後、遅滞なく、前項の審査の結果を公表しなければならない。

(H27―50全改)

(意見書の提出及び公表)

第13条 審査対象者は、前条第1項の規定による通知を受けたときは、審査の結果について、当該通知のあった日の翌日から起算して2週間以内に、市長等は市長に対し、議員は議長に対し意見書を提出することができる。

2 市長又は議長は、前項の規定による意見書の提出があったときは、前条第2項の規定による公表に併せて、当該意見書又はその概要を公表するものとする。

(H27―50追加)

(措置及び公表)

第14条 市長又は議長は、審査会から報告を受けた事項を尊重し、審査対象者に対して、市民の信頼を回復するため、必要と認める措置を講ずるものとする。

2 市長又は議長は、前項の措置を講じたときは、これを公表しなければならない。

(H27―50追加)

(贈収賄罪等の起訴後における説明会)

第15条 市長等又は議員が刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4まで及び第198条に定める贈収賄罪並びに公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成12年法律第130号)第1条に定めるあっせん利得罪の容疑で起訴された後、なお引き続きその職にとどまろうとするときは、市長等については市長に、議員については議長に、市民に対する説明会の開催を求め、当該市長等又は議員は、説明会に出席し釈明することができる。

2 市民は、前項の規定による説明会が開催されないときは、地方自治法第18条に基づく選挙権を有する者50人以上の連署をもって、市長又は議長に説明会の開催を請求することができる。

3 前項の開催請求は、起訴された日から30日を経過した日以後20日以内に行うものとする。

4 市民は、説明会において、当該市長等又は議員に質問することができる。

(H27―50追加)

(贈収賄罪等の第一審有罪判決宣告後における説明会)

第16条 市長等及び議員が前条第1項に規定する贈収賄罪等により第1審有罪判決を受け、なお引き続きその職にとどまろうとするときは、市長又は議長は、市民に対する説明会を開催し、当該市長等又は議員は、説明会に出席し釈明しなければならない。

2 前項の説明会においては、前条第4項の規定を準用する。

(H27―50追加)

(贈収賄罪等確定後の措置)

第17条 市長等又は議員が前条の有罪判決の宣告を受けその刑が確定したときは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項の規定により失職する場合を除き、市長等又は議員は、その名誉と品位を守り市民の信頼を回復するため辞職手続をとるものとする。

(H27―50一改・繰下)

(委任)

第18条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、市長及び議会が別に定める。

(H27―50繰下)

この条例は、平成20年1月1日から施行する。

(平成27年12月28日 条例第50号)

この条例は、平成28年4月1日から施行する。

(平成28年12月27日 条例第42号)

(施行期日)

1 この条例は、平成29年4月1日から施行する。

飯塚市政治倫理条例

平成19年9月28日 条例第45号

(平成29年4月1日施行)