○飯塚市空家等の適切な管理に関する条例

平成30年10月9日

飯塚市条例第27号

(目的)

第1条 この条例は、空家等の適切な管理について所有者等及び市の責務を定めるとともに、空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号。以下「法」という。)に定めるもののほか、空家等の適切な管理に関し必要な事項を定めることにより、良好な住環境の保全と安全で安心なまちづくりの推進に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「部分空家等」とは、長屋若しくは共同住宅の住戸又はこれに附属する建物その他の工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木竹その他の土地に定着するものを含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。

2 この条例において「特定部分空家等」とは、前項に規定する部分空家等であって、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると市長が認めたものをいう。

3 前2項に規定するもののほか、この条例において使用する用語は、法において使用する用語の例による。

(空家等又は部分空家等の所有者等の責務)

第3条 空家等又は部分空家等の所有者等は、当該空家等又は部分空家等が周辺の環境に悪影響を及ぼさないよう、自らの責任において適切に管理しなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、市内の空家等及び部分空家等の状況を把握し、市民等(市民及び市内に存する建築物の所有者等並びに地域団体及び事業者をいう。以下同じ。)からの空家等及び部分空家等に関する相談に応じるとともに、空家等及び部分空家等の適切な管理に関する情報を提供するなど市民等に対して必要な支援を行うものとし、併せて周辺の生活環境に悪影響を及ぼす空家等及び部分空家等について、危険箇所等を是正するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 市は、空家等及び部分空家等に関する対策を総合的かつ計画的に実施するため、法第6条第1項に規定する空家等対策計画を定めるものとする。

(協議会)

第5条 前条第2項の空家等対策計画の作成及び変更等に関する協議を行うため、法第7条に規定する協議会を置く。

2 前項の協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

(立入調査等)

第6条 市長は、必要があると認めるときは、部分空家等の所有者等を把握するための調査その他この条例の施行のために必要な調査を行うことができる。

2 市長は、次条及び第8条の規定の施行に必要な限度において、当該職員又はその委任した者に、部分空家等と認められる場所に立ち入って調査をさせることができる。

3 市長は、前項の規定により当該職員又はその委任した者を部分空家等と認められる場所に立ち入らせようとするときは、その5日前までに、当該部分空家等の所有者等にその旨を通知しなければならない。ただし、当該所有者等に対し通知することが困難であるときは、この限りでない。

4 第2項の規定により部分空家等と認められる場所に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

5 第2項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(特定部分空家等に対する措置)

第7条 市長は、特定部分空家等の所有者等に対し、当該特定部分空家等に関し、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとるよう助言又は指導をすることができる。

2 市長は、前項の規定による助言又は指導をした場合において、なお当該特定部分空家等の状態が改善されないと認めるときは、当該助言又は指導を受けた者に対し、相当の猶予期限を付けて、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告することができる。

3 市長は、前項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に必要があると認めるときは、その者に対し、相当の猶予期限を付けて、その勧告に係る措置をとることを命ずることができる。

4 市長は、前項の措置を命じようとする場合においては、あらかじめ、その措置を命じようとする者に対し、その命じようとする措置及びその事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。

5 前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から5日以内に、市長に対し、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。

6 市長は、前項の規定による意見の聴取の請求があった場合においては、第3項の措置を命じようとする者又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。

7 市長は、前項の規定による意見の聴取を行う場合においては、第3項の規定によって命じようとする措置並びに意見の聴取の期日及び場所を、期日の3日前までに、前項に規定する者に通知するとともに、これを公告しなければならない。

8 第6項に規定する者は、意見の聴取に際して、証人を出席させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。

9 市長は、第3項の規定による命令をした場合においては、標識の設置その他規則で定める方法により、その旨を公示しなければならない。

10 前項の標識は、第3項の規定による命令に係る特定部分空家等に設置することができる。この場合においては、当該特定部分空家等の所有者等は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。

11 第3項の規定による命令については、飯塚市行政手続条例(平成18年飯塚市条例第12号)第3章(第12条及び第14条を除く。)の規定は、適用しない。

(緊急安全措置)

第8条 市長は、空家等又は部分空家等が適切な管理が行われず放置されたことにより、人の生命、身体又は財産に危害が及ぶことを避けるため、当該空家等又は部分空家等の状況に応じて、緊急的な危険回避に必要な最小限度の措置を講ずることができる。

2 市長は、前項の措置を講じたときは、当該措置の実施内容を当該空家等又は部分空家等の所有者等に通知(過失がなくて当該空家等又は部分空家等の所有者等を確知することができないときは、公告)しなければならない。

3 市長は、第1項の措置を講じたときは、当該措置に要した費用を当該空家等又は部分空家等の所有者等に請求することができる。

(委任)

第9条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、公布の日から施行する。

飯塚市空家等の適切な管理に関する条例

平成30年10月9日 条例第27号

(平成30年10月9日施行)