○飯塚市切畑ダム管理規程

平成18年3月26日

飯塚市訓令第26号

目次

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 ダム等の管理の原則(第7条―第19条)

第3章 頭首工からの取水、放流及びゲートの操作に関する事項(第20条―第27条)

第4章 雑則(第28条・第29条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この訓令は、切畑ダム(以下「ダム」という。)の操作の方法のほか、小河内頭首工(取水施設、附属工作物及び導水路を含む。以下「頭首工」という。)及び切畑貯水池(以下「貯水池」という。)の維持その他の管理に関し必要な事項を定めるものとする。

(管理主任技術者)

第2条 ダムにダム管理主任技術者(以下「管理主任技術者」という。)1人を置く。

2 前項の管理主任技術者は、河川法(昭和39年法律第167号)及びこれに基づく命令並びにこの訓令の定めるところにより、ダム及び貯水池の管理に関する事務を誠実に行わなければならない。

(ダム及び貯水池の諸元等)

第3条 ダム及び貯水池並びに頭首工の諸元その他これに類するダム及び貯水池の管理上参考となるべき事項は、次のとおりとする。

(1) ダム

 高さ 38.00m

 堤頂の標高 109.00m

 越流頂の標高 106.20m

 余水吐(シュート式) 越流幅5.70m 越流水深0.80m

 計画洪水流量 6.94m3/s

(2) 貯水池

 直接集水地域の面積 0.32km2

 湛水区域の面積 0.035km2

 最大背水距離 0.269km

 計画洪水位 標高107.00m

 満水位 標高106.20m

 最低水位 標高87.20m

 有効貯水容量 336,440m3

(3) 頭首工

 堰高 0.90m

 堰長 9.20m

(ア) 固定部 7.20m

(イ) 舟通部 2.00m

(洪水警戒時)

第4条 この訓令において「洪水警戒時」とは、ダムに係る直接集水地域の全部又は一部を含む予報区を対象として暴風雨警報又は大雨警報が行われ、その他洪水が発生するおそれが大きいと認められるに至った時からこれらの警報が解除され、若しくは切り替えられ、その他洪水が発生するおそれが少ないと認められるに至るまでの間をいう。

(貯水位の算定方法)

第5条 貯水池の水位(以下「貯水位」という。)は、切畑貯水池水位観測所の水位計の読みに基づいて算定するものとする。

(流入量の算定方法)

第6条 流入量は、切畑川の流量と小河内水位観測所地点における大分川からの注水量を合算して算定するものとする。

2 前項の切畑川の流量は、飯塚市内住132番地内のダム上流水位観測所において測定した切畑川の水位に基づいて算定し、同項の注水量は、小河内水位観測所において測定した小河内分水槽の水位に基づいて算定するものとする。

3 前2項の規定にかかわらず、これらに規定する方法によっては流入量を正確に算定することができないと認められる事情があるときは、流入量は、これを算定すべき時を含む一定の時間における貯水池の貯水量の増分又は減分と当該一定の時間における貯水池からの放流量との合算量を当該一定時間で除して算定するものとする。

4 前項の貯水量の増分又は減分は、同項の一定の時間が始まる時及びこれが終わる時における貯水位にそれぞれ対応する貯水量を別図第1により求め、これを差引計算して算定するものとする。

第2章 ダム等の管理の原則

(流水の貯留の最高限度)

第7条 貯水池における流水の貯留は、第10条第3号の規定による場合を除くほか、満水位を越えてしてはならない。

(貯水)

第8条 かんがい用水等を確保するため貯水池使用計画により、原則として毎年6月20日までにダムの貯水位を満水位にするものとする。

2 貯水池使用計画は、別図第2のとおりとする。

(責任放流量)

第9条 ダムからの責任放流量は、毎秒0.003立方メートルとする。

(ダムから放流することができる場合)

第10条 ダムの取水口からの放流は、次に該当する場合に限り、それぞれ放流することができるものとする。

(1) 下流における河川及び農業用水のため必要な流量を確保する必要があるとき。

(2) 前条の規定を守るため必要があるとき。

(3) 貯水位が満水位を越えるとき。

(4) ダムその他貯水池内の施設又は工作物の点検又は整備のため必要があるとき。

(5) 前各号に掲げる場合のほか、やむを得ない必要があるとき。

(放流の開始及び放流量の増減の方法)

第11条 貯水池からの放流は、前条第3号の規定による場合を除くほか、かんがい期間において気象、水象及びかんがいの状況を考慮して、受益地の必要な水量をダムから放流しなければならない。この場合において、下流の水位の急激な変動を生じないようにしなければならない。

2 前項のかんがい期間は、毎年6月21日から9月30日までの間とし、放流量は最大毎秒0.368立方メートルを超えてしてはならない。

(放流管バルブの操作方法等)

第12条 放流管バルブ孔は、満水位に最も近いものから最低水位に向かって第1孔、第2孔、第3孔、第4孔及び第5孔という。

2 放流管から放流する場合においては、放流管バルブの第1孔を開いた後、必要水量に不足を生じるときは、第2孔を開き、更に同様の操作を繰り返すものとし開かれたバルブを閉じるときは、これを開いた順序の逆の順序によってするものとする。

3 放流管バルブは、第10条の規定により、放流する場合又は放流管の点検若しくは整備のため必要がある場合を除くほか、開閉してはならない。

(放流の際の関係機関に対する通知)

第13条 ダムの洪水吐からの越流又は放流管からの放流によって下流に危害が生ずると予測されるときは、越流又は放流開始の少なくとも1時間前に別表第1に定めるところにより通知を行うものとする。

(放流の際の一般に周知させるための措置)

第14条 前条の越流又は放流の際に一般に周知させるため必要な措置は、ダム地点から切畑橋地点までの大分川及び切畑川の区間について切畑集落に設置された拡声機により、放流する30分前に警報するものとする。

(放流管バルブの操作に関する記録の作成)

第15条 ダムの放流管バルブを操作した場合においては、次に掲げる事項を記録しておかなければならない。

(1) 操作の理由

(2) 開閉したバルブの名称、その1回の開閉を始めた時刻及びこれを終えた時刻並びにこれを終えた時におけるその開度

(3) バルブの1回の開閉を始めた時及びこれを終えた時における貯水位、流入量、放流量及び使用量

(4) 放流に係る最大放流量が生じた時刻及びその最大放流量

(測定及び観測)

第16条 測定は、別表第2に定めるところにより行うものとする。

2 測定すべき事項のほか、別表第3に掲げる事項については、同表に定めるところにより測定又は観測をしなければならない。

3 前項のほか、次条第2項の規定に該当するとき、その他ダム又は貯水池について、異常かつ重大な状態が発生していると疑われる事情があるときは、速やかに別表第3に掲げる事項のうちダムの状況に関するものの測定をしなければならない。

4 測定及び観測の結果は、記録しておかなければならない。

(点検及び整備等)

第17条 ダム及び貯水池並びにこれらの管理上必要な機械器具及び資材は、定期に及び時宜により常時良好な状態に維持しなければならない。

2 特に洪水又は暴風雨、地震その他これらに類する異常現象でその影響がダム又は貯水池に及ぶものが発生したときは、その発生後速やかにダム及び貯水池の点検(貯水池付近の土地の形状の変化の観測及びダムに係る地山からにじみ出る水の量と貯水位との関係の検討を含む。)を行い、ダム又は貯水池に関する異常な状態が早期に発見されるようにしなければならない。

(異常かつ重大な状態に関する報告)

第18条 ダム又は貯水池に関する異常かつ重大な状態が発見されたときは、直ちに別表第1に定める機関にその旨を報告しなければならない。

(洪水警戒時における措置)

第19条 洪水警戒時においては、ダム及び貯水池を適切に管理することができる要員を確保しなければならない。

第3章 頭首工からの取水、放流及びゲートの操作に関する事項

(取水期間)

第20条 頭首工からの取水期間は、毎年12月1日から翌年の6月20日までとする。

(取水量)

第21条 頭首工からの取水量は、当該地点の流量が毎秒0.06立方メートルを越える流量について最大毎秒0.531立方メートルを取水するものとする。

(取水量の算定)

第22条 取水量は、取水水門の内側にある小河内分水槽に設置された水位観測所の水位の読みに基づいて算定するものとする。

(責任放流量)

第23条 取水期間の責任放流量は、毎秒0.06立方メートルとする。

(取水時のゲートの操作)

第24条 取水を行うときは、頭首工の水位及び取水量に応じて手動により取水水門ゲートの開度を調節するものとする。

(点検及び整備)

第25条 管理主任技術者は、頭首工の管理上必要な機械及び器具は、常に良好な状態に保つための点検及び整備を行わなければならない。

(監視)

第26条 管理主任技術者は、頭首工及びその周辺について、常に監視を行い、その維持及び保全に支障を及ぼす行為の取締り並びに危険防止に努めなければならない。

(測定)

第27条 管理主任技術者は、別表第4に定める事項について測定し、その結果を記録しておかなければならない。

第4章 雑則

第28条 管理主任技術者は、毎月10日までに前月分の管理日誌を取りまとめ、その内容を市長に報告しなければならない。

第29条 管理主任技術者は、水利使用規則(平成9年3月28日建九8水遠第12号)第9条の規定により年ごとに測定結果を取りまとめ、翌年の1月31日までに九州地方整備局長に報告しなければならない。

この訓令は、平成18年3月26日から施行する。

別図第1(第6条関係)

貯水容量曲線図

画像

別図第2(第8条関係)

切畑ダム貯水池使用計画

画像

別表第1(第13条、第18条関係)

 

通知の方法

通知の方法

摘要

名称

担当機関

1

福岡県知事

飯塚土木事務所

加入電話

 

飯塚市長

筑穂支所経済課

飯塚警察署長

筑穂交番

2

九州地方整備局長

遠賀川河川事務所

別表第2(第16条関係)

測定すべき事項

測定の回数

摘要

貯水位

毎日

 

貯水池への流入量

注水口の注水量

使用水量

ダムからの放流量

放流の都度

別表第3(第16条関係)

測定又は観測すべき事項

測定又は観測の回数

摘要

ダムの状況

変形

少なくとも毎四半期1回

 

間隙水圧

漏水量

少なくとも毎月2回

貯水池内及びその末端付近の堆砂状況

少なくとも毎年1回

別表第4(第27条関係)

測定すべき事項

測定の回数

摘要

気象

毎日

 

貯水位

大分川の水位

責任放流量

取水量

ゲート操作の時刻及び開度

その他頭首工の管理に関し必要な事項

飯塚市切畑ダム管理規程

平成18年3月26日 訓令第26号

(平成18年3月26日施行)

体系情報
第10編 産業経済/第2章 林/第1節
沿革情報
平成18年3月26日 訓令第26号